水月湖は湖底がかき乱されない「奇跡の湖」
三方五湖は水質や水深の違いから濃さの異なる青色に見える「五色の湖」で、若狭地方を代表する景勝地です。その1つである水月湖は水深が最大で34mと深く、春から秋にはプランクトンの死骸や珪藻などが、晩秋から冬には黄砂や鉄分などが1年に1層ずつ(平均で約0.7mmの厚さで)湖底に堆積していきました。
水月湖には湖内に流れ込む河川がなく、水深が深く湖底に酸素がないため生物が生息しておらず、湖底の堆積物がかき乱されることがありませんでした。さらに断層活動のため湖が埋まることもなかったことから、年縞が形成される環境としては奇跡といえる環境が整った湖だったわけです。
年縞は1年に1つ形成される層が湖底に積み上がっていったもので、水月湖には実に45m、約7万年分の年縞が存在しています。過去の気温や降水量などの気候変動、周辺の植生の変化、洪水や地震などのデータを年単位で把握できるため、より詳しく、より過去の年代まで分析することが可能になりました。